今までに様々な生命保険に加入し、また決算時期が近づくにつれ、法人保険で「節税対策」をしようと考えている経営者の方は多いのではないでしょうか。
しかし、2019年2月13日に国税庁が突如、全額損金算入できる生命保険の税務上の取り扱いを見直すと発表しました。
これを保険業界ではバレンタインショックと呼んでおり、節税保険の終焉と騒がれました。
それから4年が経ち、「節税対策」としての生命保険はもうないのでは?と思われている方も少なくないでしょう。
しかし、法人保険の保険料を損金として全く算入できなくなったわけではありません。
長期的な目線で「節税」を考えれば、税制改正後の現在でも法人保険を利用して節税対策をすることが可能です。
そこでこの記事では、「2024年最新!生命保険を活用した節税方法」として、改正された新ルールに基づいた法人保険の節税方法を解説します。
今注目を集めているハーフタックスプラン(福利厚生プラン)とは?
これまで様々な種類の生命保険が節税目的で販売されてきましたが、既述のように年々厳しくなっているのが実情。
その中でハーフタックスプラン(福利厚生プラン)がここにきて再度注目を浴びています。
その名の通り、法人が支払う保険料の半分を福利厚生費として損金算入することができ、支払った保険料は解約返戻金として年々積み立てられていく仕組みとなっています。
注意点としては、福利厚生を目的とした内容となるため、原則として従業員の全員が被保険者となり加入しなければならないという点です。
ただし例外もあるため、詳細は生命保険会社に相談されるのが良いでしょう。
法人保険を活用した実例
法人保険を活用したお客様の実例をご説明いたします。
・契約形態
契約者:法人
被保険者:役員、従業員
死亡保険金受取人:被保険者の法定相続人
満期保険金受取人:法人
・40歳男性
年間保険料:1,001,991円
資産計上額:500,996円
損金算入額:500,995円
(法人税:30%と計算)
払込保険料 | 解約返戻金 | 単純返戻率 | 実質返戻率 | |
1年後 | 1,001,991円 | 22,000円 | 2.3% | 17.1% |
3年後 | 3,003,982円 | 1,844,000円 | 61.4% | 76.3% |
5年後 | 5,009,955円 | 4,045,000円 | 80.8% | 95.7% |
10年後 | 10,019,910円 | 10,508,000円 | 104.9% | 119.8% |
15年後 | 15,029,865円 | 18,092,000円 | 120.4% | 135.3% |
20年後 | 20,039,820円 | 27,877,000円 | 139.1% | 154.1% |
30年後 | 30,059,730円 | 57,401,000円 | 191.0% | 205.9% |
※単純返戻率:支払った保険料に対し、解約時に戻ってくる返戻金の割合
※実質返戻率:法人税の軽減額を加味した返戻金の割合
法人保険の活用するメリット
1.保険料の半分を損金算入でき、払込時法人税の負担軽減
2.返戻率が100%を超え、生命保険を活用して会社の資産を増やせる
3.事業運転資金や退職金の準備ができる
4.福利厚生として加入のため、従業員の満足度向上
5.保障を持つことで安心感
法人保険を活用するデメリット
1.解約時に課税、出口を考える必要あり
(解約返戻金−資産計上額=雑収入として計上)
2.普遍的加入、原則として従業員の全員が加入しなければならない(例外あり)
3.保険料の負担が大きいと資金繰りが悪化することも
4.仕組みが複雑
5.早期解約すると大きな損失に
以上簡潔にまとめてみましたが、メリット・デメリットを踏まえた上でご検討下さい。「節税」をするとなると生命保険以外にも選択肢は多様です。会社にあった方法を見つけられるかどうかが大切です。