マイニング投資は今も有効?2026年の税制・収益・リスクを徹底解説

「即時償却がなくなったから、もうマイニング投資は終わり?」――そう考えている経営者の方へ。その判断は時期尚早かもしれません。

令和7年度税制改正により、暗号資産マイニング業用設備は中小企業経営強化税制の対象外となりました。ただし、通常の減価償却による節税や、法人が保有する暗号資産の期末時価評価課税の除外など、活用できる税制は残っています。さらに令和8年度改正では、暗号資産の譲渡益への申告分離課税の導入が決定するなど、市場環境も変化しています。

本記事では、マイニング投資の仕組み、最新の税制、メリット・デメリット、収益戦略を解説します(収益・価格は変動が大きく、将来の成果を保証するものではありません)。

目次

マイニング投資とは

マイニング投資とは、専用マシンで暗号資産の取引を承認し、報酬を得る仕組みへの投資です。マイニングとは、ブロックチェーン上で取引を承認し新たなブロックを生成する作業で、膨大な計算処理を行う「マイナー(採掘者)」が、その対価として新規発行される暗号資産(ビットコインなど)や取引手数料を報酬として受け取ります。企業や個人が専用マシンや設備に資金を投じてマイニングを行い、収益を得るのがマイニング投資です。

マイニング投資の仕組み

企業がマイニング投資を行う主な理由は、収益の分散化とデジタル資産の取得、暗号資産市場の成長を見据えた長期投資、設備投資による減価償却を活用した税務戦略などです。

【税制の変化】マイニング投資はどう変わった?

マイニング設備が経営強化税制の対象外に(令和7年度改正)

以前は、マイニングマシンの購入も中小企業経営強化税制の対象となり、即時償却または取得価額の7%(資本金3,000万円以下は10%)の税額控除を受けられました。しかし、令和7年度税制改正により、2025年4月1日以後、暗号資産マイニング業で使用される設備は同税制の適用対象から除外されました。そのため、これまでの税制優遇は受けられなくなっています。設備投資を検討する際は、最新の税制を踏まえた慎重な判断が必要です。

税制変更後でも活用できる対策

通常の減価償却

設備の耐用年数に応じて減価償却を行い、利益を平準化することで税負担を抑えられます(優遇措置ではなく通常の償却である点に注意)。

経費計上

電力費や維持管理費などの経費も計上でき、事業全体の税負担の抑制につながります。

マイニングは収益変動リスクがある一方、適切なコスト管理と税務戦略を組み合わせることで、事業の安定化に寄与する可能性があります。

法人の期末時価評価課税の対象外(令和5・6年度改正)税の対象外に

かつて法人が保有する暗号資産は、事業年度末の時価で評価され、含み益(未実現利益)にも法人税が課される仕組みでした。近年の改正により、一定の要件を満たして継続保有する暗号資産については、期末の時価評価が不要となり、売却時に課税される取扱いとなりました。これにより、価格上昇時の予期せぬ税負担を避けやすくなっています(適用には要件があるため、詳細は税理士にご確認ください)。

期末時価評価課税の改正

【令和8年度改正】暗号資産の申告分離課税の導入が決定

これまで個人が暗号資産の売却で得た利益は、総合課税(最大約55%)の対象でした。令和8年度税制改正により、一定の暗号資産の譲渡益について、20%の申告分離課税を導入することが決定しました。特定暗号資産間の損益通算や、3年間の繰越控除も可能となります(適用は金融商品取引法の改正法の施行日の翌年1月1日から)。あわせて、暗号資産を金融商品として位置づける方向で制度整備が進められています。

これが施行されれば、個人投資家の市場参入が促され、長期的には市場の流動性向上やマイニング事業への好影響も期待されますが、対象となる「一定の暗号資産」の範囲など詳細は今後の法令で確定します。

マイニング投資に将来性はある?

ビットコインETF承認による市場拡大

2024年1月、米国証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物ETFを承認しました。これにより機関投資家や富裕層の参入が進み、暗号資産市場への資金流入と長期的な市場成長が期待されています。ビットコイン価格は2025年に一時10万ドルを超える水準まで上昇するなど、相場は大きく変動しています(価格は変動が激しく、将来の値動きを保証するものではありません)。

半減期と市場の動向

ビットコインは約4年ごとに「半減期」を迎えます。過去の半減期の後には価格が上昇する傾向が見られたことがありますが、これはあくまで過去の傾向であり、将来の価格上昇を保証するものではありません。供給・需要や規制など多くの要因で相場は変動します。

半減期後のマイニング報酬と市場の動向
【マイニング投資】半減期とBTC価格の相関

マイニング投資のメリット・デメリットまとめ

マイニング投資のメリットとは?

資産分散としての活用

マイニング投資は、株式や不動産とは異なる資産クラスとして、企業のポートフォリオの分散に貢献します。特に、インフレリスクへの耐性や、伝統的な金融資産との相関性の低さが注目されています。例えば、金融市場が不安定になった際に暗号資産が相対的に価値を維持することがあり、リスク分散の手段としてマイニング事業を取り入れる企業も増えています。また、近年はビットコインETFの承認などにより、暗号資産市場への信頼性が高まり、投資対象としての価値も向上しています。

節税効果だけでなく収益化の可能性も

設備投資に伴う減価償却を活用することで、法人税の負担を軽減できるだけでなく、収益化の可能性も魅力の一つです。適切な設備投資と運用を行うことで、ビットコインやその他の暗号資産を安定的に採掘し、売却益や長期保有による資産価値の上昇を狙うことができます。特に、マイニング企業が増加する中で、電力コストの最適化やハードウェアの最新化を図ることで、より高い収益率を実現することも可能です。

今後の市場成長に期待できる

暗号資産市場は、これまで何度も大きな価格変動を経験しながらも、長期的には成長を続けている点が特徴です。また、各国の規制が整備される中で、機関投資家の参入が進み、市場の安定性や信頼性が向上することが予想されています。

また、再生可能エネルギーの活用や、エネルギー効率の高い最新マイニングマシンの開発などにより、より持続可能な形でのマイニング事業が展開されることも期待されています。

マイニング投資のデメリットとは?

初期投資が高額

マイニング設備の導入には、高性能なマイニングマシンの購入費用など多額の初期投資が必要です。また、設備の更新やメンテナンス費用も発生するため、継続的な資金計画が求められます。

電気代が収益に大きく影響

マイニングは大量の電力を消費するため、電気代が高騰すると利益を圧迫する可能性があります。そのため、電力コストを抑えるために、電気料金の安い海外拠点への移転や、再生可能エネルギーの活用を検討する企業も増えています。

税制メリットの縮小

マイニング設備を導入する際の税制優遇が受けられなくなったため、節税目的での投資は難しくなっています。
しかし、前述した減価償却による節税効果や、2024年の税制改正で導入された期末時価評価課税の適用除外など、依然として活用できる税制は存在します。そのため、最新の税制情報を踏まえ、どのような形でマイニング投資を行うのが最適かを慎重に判断する必要があります。

市場の変動リスク

暗号資産市場は変動が激しく、マイニング報酬の変動も大きいため、慎重なリスク管理が必要です。また、各国の規制強化もリスク要因の一つです。例えば、中国では過去に大規模なマイニング禁止措置が取られたことがあり、今後も各国の政策変更によって事業環境が大きく変わる可能性があることは念頭に入れておきましょう。

マイニング投資を検討する企業が今すべきこと

収益性シミュレーションの実施

マイニング投資を成功させるためには、事前に収益性をしっかりとシミュレーションし、長期的な視点で投資計画を立てることが不可欠です。暗号資産市場は価格の変動が激しく、ビットコインの価格やマイニング報酬(ブロック報酬)の変動によって利益が大きく変わるため、リスクを想定したシミュレーションを行うことが重要です。

適切な税務戦略の構築

最新の税制に基づいた税務戦略を構築し、節税効果を最大限に活用するためには、専門的な知識が求められる分野であり、税制の変更も頻繁に行われるため、最新の情報を正確に把握し、適切な対策を取ることが不可欠です。そのため、税理士や会計士、暗号資産に精通した専門家との連携を強化し、適切な税務計画を立てることが重要です。

まとめ|マイニング投資は今後も有効な選択肢

マイニング投資は、税制優遇(経営強化税制)が縮小した一方、通常の減価償却の活用、法人の期末時価評価課税の除外、そして令和8年度改正での申告分離課税の導入決定など、環境は変化しています。価格変動・電力コスト・規制といったリスクを踏まえたうえで、収益性と税務を総合的に判断すれば、選択肢の一つとなり得ます。事前に戦略を立て、専門家に相談しながら検討することをおすすめします。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・投資に関する個別具体的な助言ではありません。税制は改正により変わることがあり、暗号資産の価格・収益は大きく変動し、将来の成果を保証するものではありません。実行にあたっては顧問税理士等の専門家に最新の内容をご確認ください。
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